「大変革がおきるまで、自分の食べるものを自分で料理したり、
自分の家の周りを掃除したりしてはいけない
などということがあろうか・・・・・・・・・
小さな改革すらできない者に、
大きな改革などできるわけがありません——–」
マハトマ・ガンジー
- 作者: 藤田和芳
- 出版社/メーカー: 工作舎
- 発売日: 2005/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る
からの引用です。
改革をするためには、政治の世界で多数派となり、
権力を握ることが必要だといえます。
でも、どんなものにも生活はついて回る。
そして、その生活を変革できる者こそが必要なのだ、
とこの言葉は言っているのかもしれません。
藤田さんは、有機野菜や自然食品など安心できる食材・食品の通販宅配サービス|大地を守る会の会長です。
私は、三尾さんと八恵ちゃんの結婚式で少しお目にかかっただけですが、
どんな思いで大地を守る会を運営してこられたのかな、
と思ったので本を手にとってみました。
「有機農産物は考える素材です」
ということを大地はずっと言ってきました。
安全でおいしい野菜を食べたいとは思っていても、
実際に虫食いがあるととたんに文句を言ってしまったり
することはあることです。
でも、それがあるときに、この野菜はどんな環境で育ってきたのか、
野菜が育つということはどういうことなのか、
振り返り考えることになる、という意味です。
生産者にとっても、「なぜ有機農産物なのか」
ということはつねに考えておかねばなりません。
双方にとって、大切な言葉ですね。
また、株式会社大地を設立した当時に、
「運動体が営利追求に走るのか?」
と猛反発を受けた事例に対しては、
「どこからも認可されることなく、
補助金や税制上の優遇措置もない代わりに、
自己決定する自由と責任感を得たのだった」
と書いています。
「大地を守る会は、経済的に自立した存在であり、
かつ社会的な運動を展開する、そんな組織であってほしい」
と願った藤田さんの思いがこれを実現したのでしょう。
30年かけて、自分の理想を形にしようと奔走している人がいる。
この事実は自分にとって大きな励みです。
自分の本当にやりたいことを、周りの環境を理由に
妥協するのではなく、まずは自分の理想を持って
行動していくことが必要なことを学びました。
もうひとつ、心に残った言葉は、
「純粋は危険!「異質」「遊び」を容認するおおらかさ」
という言葉です。
運動を進めていく中で、どうしても議論、運動の方向が
先鋭化していってしまいますが、
それを突き詰めると結局は原理的な争いになってしまいます。
(「内田樹の研究室」原理主義と機能主義http://blog.tatsuru.com/archives/001547.phpも参照)
なにかをやる上においても、ど〜んと大きく呑んでしまう
おおらかさを身につけたいです。