荒れた農村から・・・

荒れた農村(むら)から戦争の足音が聞える (双書 大地の声・農民の声)

荒れた農村(むら)から戦争の足音が聞える (双書 大地の声・農民の声)

を読んでいる。
Kaiさんより紹介されたものだ。

この本を読むと、戦後、日本の農村に訪れた
大変化の波を感ぜずにはいられない。
小さなころから、母方の実家が農地改革で
たくさんの土地を失った話は聞いていたが、
高度経済成長時代の話はほとんど知らなかった。

解放された農地が、都市開発の波に押され、
どんどん売られていく。
土地成金!という言葉が当時は当たり前のように
言われていた。
土地代金を手に入れた農民たちは、
金を要求する都市に出ていた兄弟姉妹と血みどろの
争いをくりひろげ、実際殺人事件にも巻き込まれたりした。

人間が人間らしく生きられなくなった、
とよくいわれるようになったが、農村におけるその萌芽は
俊におけると同様高度経済成長時代に
あるのかもしれない。

衝撃的過ぎて、言葉が浮かばない状況だ。
こんな歴史を経て、現在農村が生き残っているのだな。
鴨川でも、私の住んでいる地域は結構農地が残っているのだけど、
それは都市化の波が押し寄せるのが若干遅かったから
なのかもしれない。

現在、国家政策として認定農業者制度を充実させ、
農家に国際競争力をつけさせる方向に向かっているけど、
そこからもれるほとんどの小規模農家はこれから
どうしていけばいいのだろう。
「国に頼らない生き方をすればいい」と思っていたけど、
この本によれば、農家の悲惨はほとんど国家から
要求された政策の結果として生じたものなのだ。
今年から導入されるこの政策も、より多くの耕作放棄地
生み出すか、株式会社や大手農業法人に担われる
工業的栽培が増えていくのだろう。

農村で暮らし、農村の豊かさを肌身に感じている私。
また、農村でずっと育っていないだけ、農村だけの
考えにがんじがらめにはなっていない。

日々時間を大切にして、自分を育ててゆこう。
人は一人では生きてゆけないものだけど、
人に頼るだけではなく、自分から人のお役に立てる
生き方をしていきたい。
自然王国3年目、正念場である。

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