雑誌「考える人」に9年間連載されていたものの書籍化。
本書で展開される諸論は、一貫して「脳と身体」「都市と田舎」がテーマとなっている。
都市のことを、著者は「脳化社会」といい、「ああすれば、こうなる」という社会であるという。
すべてが予測可能、コントロール可能であるべき社会とでもいおうか。
それに対して田舎は、「自然」であり、手入れをすることが必要なものとなる。
すべてが思い通りになるわけではなく、私たちにできるのはそれに手を入れながら、
それとつきあっていくことだけだということ。
著者に本を通して出会ったのはもう15年くらい前になると思う。
大学生から20代にかけて、たくさんの著書を読んだ。
最近は少し離れていたのだけど、今回の出版をきっかけに再び読み始めた。
ここに書かれていることは、ある意味で警世の書ということになるのだろうが、
私にとっては、まさにこれからやっていきたいことが書かれてある。
それは、大地という自然とつきあいながら、自分の生活を行い、都市へ発信し、交流を持つこと。
すべてを都市化してしまおうという流れに対する、ささやかではあるが根強い抵抗を行う。
あえて抵抗といったけど、それは権力的な活動ではなく、実体をそこに作ってゆく活動。
妥協を繰り返すように見えながら、芯は決して枉げない活動。
地域自治を実現するための行動。
「希望とは自分が変わること」副題となっているこの言葉に、震えた。
以前のブログを読む
養老さんのものの見方、考え方が僕もとても好きです。たくさん影響を受けましたが、自分の肉体を「自然」として見るようになったのはそのひとつですね。どこにいようと大自然がすぐ隣に。そして一方、脳→都市で、山の中に住む僕の中に「東京」もある。
その間でうまくバランスをとっていきたいなあと・・
yasuさん、おひさしぶりです!
ほんと、バランスをとることが大事ですね。
最近このことをよく考えます。
生きてるうちに、やりたいことをやりたいです。
生活していけるか、不安ですが(笑)
まぁきっと、大丈夫やろうと思っています…