祭りが終わると、あっという間に日常作業だ。
王国で、稲刈り前の草刈りの一日だった。
草刈りをしている時、ふと、王国に来てもうすぐ15年目を迎えるんだなと思った。
2004年の夏に、加藤登紀子さんと会う機会があり、それをきっかけに私は鴨川に来ることになった。
今から考えれば、ちょうどその時は、学生時代に所属していたワークキャンプの関係で中国にいくことになっていた。司法試験に挫折して、アルバイトして貯めたお金でチケットを購入していた。
登紀子さんに、「鴨川に遊びに来ない?」と言われて、「行きます」と即答したのだ。一緒に行くことなっていた人には不義理とご迷惑をかけ、渡航費も無駄になったけど、なぜかその時、行かなければならないと思ったのだ。
もしあの時、鴨川に来ていなければ、また違った人生があったのだろう。どんなことをしていたかは、想像もつかないけど。
鴨川を選んだことで、私の人生は大転換してしまい、予想もつかなかった道を歩んでいる。でもその道は、今私が歩きたいと思っている道だ。
蒸し暑くて、汗も乾かないような日に、ターニングポイントとなった決断に思いを馳せたのだった。
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