大学にいるよりはるかに長い時間を
王国で過ごしているU嬢。
友人たちや教授から、
「そろそろ日常に帰っておいで」といわれているようです(笑)。
さらに、内定先の企業からは、
「鴨川での活動についてレポートせよ」といわれたらしく、
少々考えておりました。
U嬢の考えが分かるわけではありませんが、
私なりにここでの学びを考えてみます。
思うに、ここにはまぎれもない「生活」があります。
U嬢の幸せとは、「毎日飯が食えるんだよ!」ということだそうで、
それに対し、彼女の友人は、「毎日飯は食えるじゃん、あたりまえじゃん」
といったような対応だったそうな。
別に彼女の友人を否定するわけではありませんが、
私にはU嬢の幸せが分かるような気がするのです。
今収穫しているカブは、U嬢とともに8月の下旬から
9月の初旬にかけてまいたものです。
彼女は、来るたびにそのカブの姿を見て、
間引き作業もしています。
そうしてできたカブの味といったら!
それは「幸せ」という言葉でも表現しきれないくらいの
おいしさです。
「自分で育てた喜び」とは最近よく言われる言葉ですが、
単純な言葉にこそ真実は宿る。
U嬢は、王国で大地と対話し、暮らしているのです。
都市で農業の危機を語るより、身体ごと体験してみて、
それからもう一度考えていくことが、
これからの彼女の生き方に何らかの影響を及ぼすはずです。
そんなことをつらつら考えていると、こんな文章に出会いました。
ページが見つかりません:@nifty
「自然とのつきあい、もしくは自然のなかでの生活(農はもちろんその一部)では、
そんなつきあい方が大事なのかもしれないと思うのです。
主従関係とか、受け身になっていくとかではなく、
相互作用を常に及ぼしながら、お互いになくてはならない関係と認識して暮らしていく。
そんな生活がしてみたいのです。」
相互作用を常に及ぼしながら、
お互いになくてはならない関係と認識して暮らしていく。
そんな暮らしの練習をこの場でしている気がします。
そういえば、昨日は妻と対話する時間を持ちました。
結婚してそろそろ一年、振り返ってみない?という
妻の提案でしたが、二人ともお互いに感謝している、
互いに支えあっていこうね、といった会話をしたのでした。
王国では、農的生活の提案と実践を行っています。
U嬢が今後どのような活動をしていくか、それが
どんな活動であっても、大地に立って考えていってほしいな、
そして自分もそう生きていきたいな、と考えました。