トマトの結束作業

王国農園は、露地で野菜を育てています。
露地栽培は,ハウスなどの施設栽培と対比して用いられる言葉ですが,
要するに普通の畑で育てている,というだけのことです。

トマトも,露地栽培です。
全くの露地だと,雨がかかったりするのでパイプ支柱を立てて,
雨よけのビニールをかけて、さらに鳥防止のために漁網を張っています。

5月に定植後、元気に育って,今では雨よけビニールにまで伸びています。
これ以上伸びてもしょうがないので,生長点を止める作業を行いました。
こうすることで、残りの実に栄養がいくようになります。

さらに、2週間前に結束して以来そのままになっているトマトの樹を竹支柱に
結束してやらねばなりません。
麻ひもを20センチくらいに切ったものを100本くらい腰につけ,
アーチの中に入ります。
アーチの中には,竹支柱とトマトが葉を茂らせているので,とても狭いのです。
さらに、雨が入らないのでクモの巣がたくさんあり,顔に張り付きます。

また、腋芽も伸びているので切ってやらないといけません。
基本的には手で切るのですが,今回は腋芽自体が成長しすぎたため
やむを得ずはさみを使いました。
(はさみを使うと元気なトマトに病気がうつる可能性があるので
なるべくなら使わないようにしたほうがよいです)

狭い中,ずっと上を向いて作業をしているので首が疲れます。
今日も日差しはきつく,汗もかなり出ます。
トマトは,結構においのする野菜で,樹や葉からもトマトのにおいがするのです。
実は私はこのにおいが大好きで,トマトの世話をする時はいつもわくわくします。
しかしトマトに触れると液が出ているのか,皮膚につくと痒くなります。
しかも半袖で中に入ったため、大変でした。

作業をしているとき,王国に来る前5ヶ月間だけ働いたことがある
中小企業の社長に言われたことを思い出しました。
「なんにせよ、仕事は工夫と探求や。探求していかなあかん。」
ものすごく怖い社長でしたが,言われた言葉がふとよみがえってきたりします。

トマトの結束作業は、単純そのものの作業です。
ひもを切って,支柱にトマトを縛り付ける。
これだけなのに、ひもの長さをどうするか,縛り方はどうするか,
どこで縛るか,トマトにダメージを与えないように動くにはどうすればよいか,
考えればもっとあげられるのですが,単純作業にこそ工夫と探求の余地があるのだと思います。

もっともっと取り組んでいきたい,と思える暑い熱い作業でした。
考え始めたり,知り始めたりすると,考え足りない,知らないことがどんどん出てきます。
ぼちぼちいこう。

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