マーケット・インの発想

7時前に家を出て、木更津市潮浜公園へ。今日はグローカルハピネスというイベントの開催日だ。私はNPO法人うずとして、これまで千葉大学国際教養学部の学生とお米づくりに関わってきたこともあって、参加することにした。もちろん、にらファイトも持って。

大学生たちは、最初は300グラム500円、1キログラム1000円の値つけで売り始めた。しかし、売れ行きがはかばかしくなく、昼過ぎに300グラム300円、1キログラム700円に値下げ。そんな時に、通りがかったコンサルティング会社勤務の方に、「お客さんは、千葉大学、無農薬、天日干しというのを見たいんじゃないかな?」と言われ、なるほどと思い、その言葉を強調するポップを作り、コメの姿を見てもらおうと、白米をザルの上にあけて見えるようにした。すると、バカ売れはしなかったけど、話しかけてくださるお客さんが増え、その結果少しずつ売れ始めた。

そのやりとりをずっと見ていて、

という本を思い出した。

その中では、これからはマーケティングの考えが必要だ、「いい製品を作れば売れる」と考えるのがプロダクト・アウトの考え方、「市場が求めているものを作り出す」と考えるのがマーケット・インの発想だとあった。そして、自分たちのやり方は変えないままで、どれだけ多くの人に自分を知ってもらうかという活動が「PR」、自分の商品を作り変える、つまり顧客の需要がどういうところにあって、それを取り込むにはどうしたらよいのかという「戦略」に立ち、根本から事業を見直すのがマーケティングだというのだ。

この考えを援用すると、お米、というだけでただ販売するのではなく、お客さんはどこを見たいと思っているのか、つまりお客さんの立場に立って販売方法を考えてみることになる。

もちろん、先述した工夫などは、無意識にやってしまっている場合も多いのだけど、この考えを知っているかいないかで、物事に向かう時の意識は変わるのではないかと思ったのだ。

他にも、みかんの1キロ量り売りをしているのを見て、「1キロの目安はこれくらい」と実際にみかんをザルに乗せて展示したほうがいいというアドバイスも受けて、これもなるほど、と思った。普段当たり前と思ってやっていることも、視点を変えればまだまだ可能性はあるのだと思う。

都市農村交流イベントをやっていても、プロダクト・アウトに偏らず、マーケット・インの発想を意識していこうと考えるきっかけとなった。千葉大生とはこの後も実習が続く予定なので、事業を作り上げていく過程を共に歩みたいと思う。

久々に出店したグローカルハピネスだったけど、アクアコインという木更津市限定で使える電子コインが使えたり、友人が作った竹の靴べらを買えたり、お気に入りの梅酢のおいなりさん、自家製ソーセージのホットドッグを食べたりと、盛りだくさんな1日で楽しかった。

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