くらしをつくる

金束(長狭街道沿いの部落)に住んでいたKさんが、
海の近くの江見地域に引っ越しました。
引っ越した家が落ち着いたという連絡があり、
手打ちうどんパーティーをやるからおいで、
と誘ってもらったのです。

Kさんは、棚田トラストの古い会員さんです。
藤本さんの最後のインタビューが載った
増刊現代農業の写真にひそかに写っているそうな。
また鴨川自然王国のウェブサイトにこのブログの
リンクバナーをつくってくれた人でもあります。

引っ越した家というのは、床板が抜け落ちていて、
一時的な修理では追いつかず、結局根太や束まで立てる
大仕事となりました。
そして、畳はリサイクル屋で一枚1000円で買ってきました。
今日行ってみると、海からは車で3分ほどで、
サーファーのK さんにとっては理想的な環境です。
近くに川が流れ、家からの見晴らしもよく、
とてもいい家でした。
家も造り自体は新しく、これから内装を
修復してゆけば住みやすくなりそうです。

今日のパーティーには、入れ替わり立ち代りで
15人くらいが訪れていました。
手打ちうどんはとてもおいしかったし、
みんなで持ちよってパーティーをするのは楽しいです。
〈ちなみに、菜花のおひたしを持っていきました〉
Kさんのネットワークの広さもありますが、
農村という環境が集まりやすくしている
のかもしれません。
移住者ばかりの集まりでしたが、
最近の空き家情報なども飛び交い、耳を澄ませて
聞いておきました。
誰でもわかることですが、若い世代の場合ネックになるのは
やはり仕事のことです。
ここら辺は私も今必死でやっていることなので、
そのうちモデルを提供できるかもしれませんが、
霞を食べては生きてゆけませぬ。

でも、感じるのは昨日に引き続き
「くらし」のにおいです。
Kさんも、普通なら大工さんに頼んでしまうことも
時間をかけて自分たちで直してしまいました。
自分ですることで、若干仕上がりは悪いかもしれませんが、
技も学べるだろうし、愛着もわくでしょう。

都会には床の抜けた空き家なんて、まずないでしょうから、
これは田舎ならではの味わいです。
移住者の皆さんもそれぞれ簡単な大工仕事ならこなしてしまいます。
生きる力はどちらで身につくのか?
明日から裸足で放り出されても、あなたは生きていけるか?
自分はどうだ?

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畑準備

堆肥は、植え付けの2週間ほど前に散布して
耕すのがよいとされています。
王国会員のイベント欄をチェックしてくださいましたか?
3月4日、5日はジャガイモ定植です。
明日は雨の予報だったので、
雨前に堆肥をまききって畑を耕そうということに
なりました。

最近使っているのは、市販品なのですが、
『秀じいの堆肥』という家畜の糞尿などの
動物性資材を使わずに、わらなどで作られた堆肥です。
まだ使い始めたばかりで、どんな結果になるかわかりませんが、
観察を続けています。市販品を使っていることに問題があるとも
いえますが、植物性堆肥の完全自給はまだ遠い道のりです。
やれるところからはじめてゆかねばなりませんね。

帰農塾フォーラムを終えて思うことは、
『暮らし』に着目して毎日を過ごすことの必要性です。

学生時代には韓国のハンセン病患者の暮らす定着村で
向こうの大学生と一緒にワークキャンプをしていましたが、
そこで強く感じたのは、
『私たちは一過性の行動だけど、この人たちには毎日の
暮らしがある』という単純な事実です。
ついつい、『いいところですね。きれいなところですね。』と
言ってしまうけれど、そこには深い歴史、思いがある。

毎年キャンプサイトを変えてキャンプをする中で、
方向性として、運動を拡大するよりは自分の現場があればな、
日本に現場があればな、という考えにいたりました。

そして今、鴨川で暮らしています。
今まで知らなかったことを学ぶ。
天候と相談して作業をする。
野菜の種まきのための畑を作る。種を蒔く。

これからどのようにして暮らしを作ってゆこうか
これが今の私の考える現実です。
周りを見渡せば、似たようなことを考えている人は
本当に多いことに気づかされます。
自分だけに閉じこもらずに、広い視野を持ちながら
しっかり大地に立つのだぞ。

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しいたけコマうち

王国の農業指導をしてくれている川名さんから
『しいたけのコマ打ちをやるけど来ないか』
といってもらい、張り切ってやってきました。

ドリルで穴を開け、菌が植えられているコマを
金槌で打ち込む、という作業です。
しいたけ菌を打ち込む木のことを、
ホダ木というのですが、川名さんのやり方を
紹介します。

雑木を切り倒しただけの太い木は、そのままでは
運ぶには重過ぎます。
そこで、そのままの木にコマを打ち込み、その場に
放置するのです。
すると、2年後には放置した木からしいたけが
生えてきます。
そのときに、現場に行ってしいたけを収穫してしまえば、
軽くていくらでも運べる、というのです。

場所があるからできる技ですが、
川名さんは年を重ねるにつれて、自分の年齢で
できる農作業とはどういうものかを
よく考えて行動されているのだな、と思いました。

お土産に、しいたけをもらってきました。
厚めにスライスして、バターしょうゆで炒めました。
すみません!!!
めちゃめちゃ美味しかったです。

王国でもしいたけをやりたいです。
一歩一歩実行に移すのだ。

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里山帰農塾フォーラム終了しました。

里山帰農塾フォーラムが終了しました。
定員を大幅に上回る100人以上の人が来てくれました。
わずか100人規模のイベントと言ってしまえば
それまでですが、大きな勉強になりました。

高野孟さんの話は、知識労働が主体になった現在、
田舎暮らしをするのは遁世ではなく、
今から新しいことを始めるのだ、少なくともこれまでの
1,5倍は生きてやろうという意欲的な話と、
もうひとつは、私にもあてはまるのですが、
団塊ジュニアたちの生き方です。
『格差社会』という言葉がはやっていますが、
団塊ジュニアたちは、父母の世代とは異なる
新しい価値観を見つけ、生きていこうとしているという話です。

次は、増刊現代農業編集長の甲斐良治さんの話です。
定年帰農の流れもさることながら、
若者たちが直感を持って農村に入っていっている、
都市では実感しにくい自分の居場所、役割が
実感できるという話でした。
藤本さんの生前最後のインタビューをしたときに、
『ポジションがわかればミッションがわかる』
という言葉を述べていたこと、その言葉が今
農村で具現化しているということを話してくれました。

鴨川自然王国代表理事であり、大山千枚田保存会理事長である
石田三示さんからは、都市住民を受け入れる側からの話がありました。
従来は、農村の人々は都市に負けているという認識が強かった、
しかし今はむしろ都市の人々に負の遺産とされてきたものの
価値を教えられている。
藤本さんが20年前に言い始めた、
『農村との親戚づきあい』を追求していきたいという話でした。

加藤登紀子さんの話が始まりました。
他の3者とも共通する視点でしたが、生き方に多様性が
出てきている、『これからどうやって生きようか』と考えて
いる人々が増えている。
そして、『農的生活』とは、自分の手で生み出す、そういう能力を
身につける生活だ、という定義づけをしてくれました。

質疑応答でも真剣な応酬が交わされ、
進行を置き去りにしてパネリストたちでマイクをまわしあって
話し始めたりとずいぶん盛り上がりました。

トークが終わってからの懇親パーティーでは、
みなさん食べる時間も惜しんで交歓を深めていました。
私も王国会員さん、帰農塾に参加した皆さんをはじめ、
初めて参加してくださった参加者の皆さんと
少しだけ話をすることができました。

短い時間でしたが、これからの関係を作るうえで
いい機会となりました。
都市農村交流というならば、都市住民を
農村に呼ぶだけではなくて、農村からも積極的に
都市に赴くべきだとの意を強くしました。

実は、このフォーラムに参加したことで、
帰農塾に申し込んでくださった方がいます。
少しでも参加者の皆さんに新しい風を吹き込めたのかな
と思うと嬉しくなってきました。

東京での企画は大変かもしれませんが、
一回どかんとイベントをやってみたいと思いました。
そのときはどうぞご参加お待ちしています!

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フォーラム定員に達しました!!!

というより、定員を大幅に超えています
情報発信してくださった皆様本当にありがとうございました。
今回のことで、ずいぶんと学べました。
仕事でやっているので、学んでいては話にならないのですが、
必死にやることで見えてきたものがあります。

当たり前のことですが、机に座って考えるだけではなく、
実際に行動しなければ何も始まらないということです。
私は、思想家であるより実践者でありたい。
この思いを更に強くしました。
現状に不満があるならば、その解消は実際に物を進めることでしか
なし得ないと思います。
今回は、それを再度確認するいい機会となりました。

明日のフォーラムには、様々な人がいろんな期待を持って
参加されるはずです。
それに全て応えることは出来ないかもしれないけど、
「農的生活」とはどういうものなのか、
里山帰農塾」とは何をするところなのか、
鴨川自然王国は何を目指しているのか、
その一端でも感じ取っていただければ
と思います。

皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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房州春一番!

昨日は、房州地方だけですが、春一番が吹いたそうです。
(房日新聞という地方紙に書いてありました)
確かに、昨日の風はすごかった。
コンタクトレンズをはめていたので、目にごみが入って
大変でした。

今日畑に行ってみると、やはり昨日の風でたまねぎ畑の
マルチがはがれていました。
(マルチというのは、畝の上にかぶせるビニールのことで、
保温や、除草を目的に使用します)
たまねぎを植えるために穴をあけているので、
その穴に一本一本入れなおしてマルチをかぶせなければならず、
なかなか手間のかかる作業でした。
でも、やってみると元通りになったし、心配していたほど
たまねぎの葉も折れていなかったので、これから無事に育って
くれれば収量は確保できそうです。

畑に出て体を動かすと、大地の上に存在する実感があります。
上を見上げれば、風で雲が吹き飛ばされ透き通った青空があります。
畑には、今収穫できる野菜、もう少し時間がかかる野菜、
畑作りをしている場所があり、それぞれの時間を表していて
心は穏やかになります。

春一番吹過ぎて、遅霜に心配はあるも春遠からじ、という感じです。

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里山帰農塾フォーラム記事掲載!

こんなところに情報が掲載されています。
http://www.e-econo.com/pe-Event%26Exhibition.html#Anchor-E&E-kinoujuku
丁寧に紹介してくださっていて、とても嬉しいです。
さらに、ここには直接紹介できませんが、
個人のブログでも何度も載せてくれています。
それから、明日の産経新聞都内版に今回のフォーラムの記事が掲載されます。
多くの方が動いていてくださったおかげで、
残席は後わずかになりました。当日を待たずに定員に達しそうです。
明日はきっと『定員になりました!!!』という
ご案内ができることでしょう。
ありがとうございました。

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里山帰農塾フォーラム準備

先週しつこく広報させてもらった、
加藤登紀子高野孟甲斐良治石田三示が登場する
里山帰農塾フォーラム、定員70名まで残りわずかになりました。
今日も何件か問い合わせがあったので、そろそろ埋まるかもしれません。

パソナO2 の参観希望も、現在2名の申し込みがあります。
申し込んだ方は、大手町野村ビルの玄関で待ち合わせます。
その場でSさんが待っていてくれる予定です。
(申込者にはSさんの名前をお知らせします)
パソナO2は、今回でなくても参観できますが、
案内つきなのはなかなかないので、この機会を是非ご利用ください。

動き始めると、思ってもみなかったことが
形になり始めるものですね

案ずるより生むが易しとはこういうことを言うのかな。

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枯れ草燃やし

アスパラガス跡と、昨日のイベント畑作業で
片付けたハヤトウリ跡、支柱を切り出した後の
竹の枝を燃やしました。

竹はよく燃えます。
風の強い日にやるとすごく危ないです。
何かあれば大変なので、ちゃんと水を用意して燃しました。

きれいに片付きましたよ。
最近畑にいける時間が少なくて、
現場から遠ざかっています。
一日のうち畑に出る時間を作って、
体も、心もリラックスさせたい。

さもなくば、
〜現場からの発信〜がウソになってしまうよ。

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毎日起こることすべてが楽しみだ。

先日の王国イベントで、会員のWさんが、
『女は自分の中で子供を作るから、
もうそれだけで十分なのよね。でも、男には
それがないから、何かを生み出したくなったり、
作り出したくなったりするのよね。』
と言っていました。

なるほど。
こんな風に考えたことはありませんでしたが、
一面を捉えていると思います。
日々大きくなってゆく妻のおなかを見ていると、
女性がいかに大きな仕事をしているかを感じます。
生物としてみるとあたりまえともいえますが、
存在に対する畏敬の念を感ぜずには入られません。

その代わりといえるかどうかはわかりませんが、
私自身、新しいものを生み出そうと必死です。
これをこうしたらどうなるだろう?
どうすればこれは実現できるだろうか?
なかなか行動に移せていない面もありますが、
以前よりは少しずつ実行できるようになっている気がします。
生活を共にする人ができたおかげで、
さんざん中途半端だった私もいよいよ正念場です。

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