この火は絶やさない

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先月の炭焼き以来、約1ヶ月ぶりに集まって小宴。

この冬の作業は全て終わってしまい、来年度は市の補助事業も申請しないので、秋からの流れを話し合う。

ありがたいことに、今年は最後の方になって一緒に炭焼きをやりたいという人が5人も現れた。

あっという間に12人の所帯になる。みんな無給だけど。

新しいメンバーが来たら、また講習などをやるきっかけにもなるし、作業日程も組みやすくなるので大歓迎だ。

今は採算にのらないけど、とにかく年に数回でも炭焼きを続けることは決めている。

私たちは、炭焼きだけがしたいわけではなく、炭焼きを通して様々な活動に展開していきたいと考えている。

この地に引っ越してきてから、様々な活動をしてきた。お金は儲からないけど、得難い人々と出会い、活動が継続できたことに感謝したい。

人間にとって、自分の役割があることほど嬉しいことはないだろう。人は一人では生きられないし、それぞれの力をそれぞれの持ち場で発揮できれば、意外と踏ん張れることを実感している。

「この先どうするの?」といつも周りに不安がられる。確かに、不安は不安だ。収入は不安定だし。

でも、強調できるのは、ここには全てにおいて工夫できる余地があるということ。打つ手は数多くあるということ。

今健康でいられて、考えられる頭と実践できる身体があればまだ大丈夫だ。そして、困った時に相談できる仲間。困ってなくても共に動ける仲間。このつながりを広げていくことで、あと一歩先に進めるのではないだろうか。

自宅でやっている農家民泊には3月第1週にベトナムシンガポールから、今日まではモンゴルから、週末にはアメリカからの訪問がある。

一生に一度しか会えない人と2泊3日を過ごすことの貴重さを感じながら接していければと思う。

そう、私はあきらめない人生を選んだのだ。

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あの木曽町から!

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木曽路はすべて山の中である。あるところは岨づたいに行く崖の道であり、あるところは数十間の深さに臨む木曽川の岸であり、あるところは山の尾をめぐる谷の入り口である。一筋の街道はこの深い森林地帯を貫いていた。(島崎藤村「夜明け前」)

長野県木曽町から、10名様で我が家にお越しになった。

釜沼の林さんのところで視察を終えてから、夕食と宿泊を我が家でしてくれることになった。

夕食は大山地区でとれた猪の鍋、佃煮、祭り寿司、ふきのとうの天ぷら、菜花のおひたしなど、地域の食材を中心にお出しした。

 

冒頭で引用した、藤村の小説の舞台となっている場所だ、と夕食の時初めて知った。「夜明け前」は長編なので、実は途中までしか読んでいないのだけど、冒頭の一節が印象的で、読み通したいと思っていた。

 

彼らは、地域おこしをやっていこうという民間のグループだ。廃校を利用した施設で都市農村交流を行なったり、地域おこし協力隊で頑張っている人、専業農家の人など、様々な職種で構成されている。

 

鴨川の大山地区で展開されている活動に興味を持ってくれたみたいで、夕食後も0時を過ぎても話が終わらないほど。

 

抱えている課題は共通するものがあるし、今後何らかの形で共に活動していければ、とても楽しいだろう。

懸命に活動している人々との対話は、意義深くて、自分が何をするべきなのか、何がやりたいのかを考えさせられる。

ようやく、ここまで歩いてこれた。これからも、歩いて行こう。

 

 

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竹切り、とりあえず区切り。

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竹切り4回目の日。

今日は昨日お手伝いに行ったK夫妻と一緒に4人で行った。

Kさんも田んぼをやっているので、そろそろ脚を切り替えたいとのことで、一緒にやることになったのだ。

2人増えるだけで、仕事の進み方が段違いに早かった。

私がひたすら切ると、それをどんどん上の方に上げてもらう。上げた竹は枝葉を払う人と、 210センチに切る人と手分けして行う。

Kさん夫妻もずっと農作業をしているし、知り合って10年くらいたつので、仕事の割り振りもいらず、さながら阿吽の呼吸のように、それぞれの持ち場で取り組めば仕事が進むという理想的な形。

午前中の3.5 時間で、240本切ることができた。2人でやっていた時はできても90本くらいだったので、2倍以上できたことになる。

できた脚を半分に分けたので、我が家には 120本プラスされて、合計で390本手に入れることができた。

1反300本が基本とのことなので、現在の耕作面積にはまだ足りないのだが、これだけあればある程度のことはできるだろう。

ほっと一安心。

これで、来週から空いた時間には田んぼ準備を始められる。

 

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学んだ技術は使ってこそ

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前々から約束していた隣の友人の藪はらいに出張。

この友人は、自然王国をきっかけに出会ったご夫婦で、この集落に引っ越して7年になる。

 

チェーンソーを持って来てと頼まれていたので、いそいそと持参する。

現場は、倉庫と家の裏にある土手に生えている雑木の伐採。

直径は太くても20センチ弱なので、大したことないのだが、倉庫に近接しているので、当たらないように伐らねばならない。

 

こういうところでこそ、これまでやって来たところが生きるところ。

どの方向で引っ張ればうまく倒れるか、慎重に判断するのは緊張するけどやりがいのあるところだ。

うまく倒れたら、運びやすいように枝葉を払って、幹の部分は短く玉切りする。

簡単だからと言って、油断してはいけないのは先日の事故で十分認識している。

周り仕事をやってくれる人たちが6人もいたので、ひたすらチェーンソーで伐採すれば仕事はどんどん進んでいく。

 

午後いっぱいで、予定していた場所が無事完了!

すっかりきれいになって、とても気持ちがいいし、これで何年かは持つだろう。

ご近所で支え合うというのは、本当にありがたいこと。いつも田んぼを手伝ってもらっているので、こんなときこそ恩返しができる。

 

夜は、自然王国で出会った懐かしい人々と一緒にちょっと遅い新年会。いろいろ話せて、楽しかった。知り合って10年以上の人々と、今でも楽しく話せるのは本当に幸せなこと。

こんな空間を、これからも大切にしていきたい。 

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この道の先に見えるもの

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我が家の玄関先から道路に向かって撮影。

目の前は、我が家の田んぼ。

今年、5年目の稲作がもうすぐ始まる。

結婚してからしばらくは、時間も能力もなかったため、人に頼んでいた。

しかし、前の仕事が終わった時、頼んでいた人から、「来年は自分でやってな」と言われ、成り行きで自分でやることになった。

 以前から自然王国で田んぼの作業をやっていたため、全く知らないわけではなかったが、いざ自分1人でやってみると、知らないことばかり。

野菜栽培であれば、「うまくできなかったよ」というので笑い話にもできるが、お米は機械などに費用がかかっており、しかも、我が家の一年分の食料にもなるので、笑い話では済まされない。

だから、野菜を育てるよりずっとあれこれ考えている。

「心で思って、実践するのに練習がいる」という言葉を昔投げかけられたことを思い出す。

やりたい、やろうとすることがあっても、あれこれ理由をつけてやらないこともある。

腐ってしまうこともある。

でも、目の前に広がっているものは田んぼという現場。

私が働きかけなければ、何も起こらない。

ずっと田んぼを見ていると、自分たちが作業していた姿を思い出す。

もっと遥か昔に視線を置くと、妻のご先祖様が働いていた様子が思い浮かぶ。いや、さすがにそれは思い浮かばないのだが。映像としては思い浮かばないが、雰囲気としては、この田んぼがずっと受け継がれて来た様子を感じられる。

農家の喜びは、ある種受け継ぐ喜びなのかもしれない。同じことを繰り返しているようだが、その時代に合わせた仕事をしてきたに違いない。

受け継ぐものと、変わりゆくもの。

その根本には、現場があるのだ。

 

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自然王国新ハウス建設竣工。

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自然王国では、現在ハウス建設をしている。

今日久々に行ってみると、骨組みとビニール張りが完了していた。

そこで今日は、まずハウスの側面にハウスバンドをかけて、風でハウスが飛ばないように押さえる作業を行なった。

 

それから、ハウスの地面に除草シートを貼る。

電気柵を張る時に使っていた古い除草シートを下に敷き、その上に新しいものを張る。

これで、古い除草シートも捨てずに済むし、二重になることで、草もより抑えることができる。

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ここまでで、午前中が終了。

午後からは、荷物の大移動。

そう、このハウスの建設目的は、資材や肥料、機械置き場を作ることにある。

今年から自然王国では、稲の苗を育てることになり、古いハウスで育苗をするため、新しくいろんな物をおく場所が必要になったのだ。

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夕方までかかって、自家製のぼかし肥、それの材料となる鶏糞と米ぬかを運びきった。

12メートルのハウスを建てたので、これからどんな風に使っていくのか楽しみだ。

 

ミツヲ代表は王国に来て14年、私が13年。まだまだやりたいことがあるし、やれることがある。

世代交代も行なって、着実に積み重ねているところ。

 

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帰宅すると、地元の新聞に先日小学校で行なった炭焼き体験授業のことが載っていた。

鴨川でこんな取り組みがなされていることを知ってもらいたい。

できれば、この地域に住む同世代の地元の人々と共に活動したいが、それは焦らずに取り組んでいくことだろう。 

 

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炭焼きから繋がるもの

炭焼き3日目。

3日目の作業は結構気を使う。

「焚き込み」という作業だ。

一昨日から、小さな火で燃やし続けていた。今日はどんどん焚き口に薪をくべて、温度を上げる日。

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火が強くて、かなり熱い。

そして、所定の温度まで達すると、焚き口をベトと呼ばれる土を水で溶いたものでふさぐ。

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今回から組合の仲間に入ってくれたwさん。

きれいに焚き口をふさいでくれた。

 

途中で、市役所の人が作業の様子を見にきてくれた。昨年度から2年続けて市の補助金を得ているので、いろいろと気にかけてくれているのだ。

鴨川市でも、地域活性化の動きや、さまざまな地道な取り組みがなされているのだが、どうにもそれぞれにスポットライトがあたらず、インパクトがあまりない状態なのが率直な印象。

今考えていることは、それぞれがやっていることを、うまく行政とつなげていくことで、インパクトのあることができないかということ。

全ての活動は、鍵になる人ががんばっている間は継続できるけれど、その人がやめてしまうとしぼんでしまいそうな状況。

せっかく、それぞれが知恵をしぼって取り組んでいるだから、それに光が当たるようにしたいと思うのだ。 

 

炭焼きをやることは、資源循環の1つの活動だから、あらゆることにつながっていく。「里山での暮らし」を営むことが静かだが着実な事実を積み重ねていくことになる。そして、それが結果を生み出すはずだ。

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一年分の醤油が完成!

朝のうちに、昨日行われた千葉県立高校入試の英国社の3科目を解く。この日は、自分が1年間やってきたことがどう通用するのか試される日。少しだけ新傾向の問題が出題されたので、受験生たちが戸惑ったのではないかと思う。千葉県は全般的に基礎的な知識を駆使して考えさせる良問が多く、解きがいがある。今回の試験が、また来年度の方針を確認するきっかけとなるのだ。

 

いそいで問題を解き終えて、醤油しぼりに行く。

今日は4月に仕込んだ醤油をみんなで搾る日なのだ。

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もろみにお湯を混ぜて延ばしていく。

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袋にもろみを詰めて万力をかけてしぼっていく。

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火入れをして発酵を止める。

灰汁を取っているのは絞りの全般を見てくれる仲間。醤油組合の中で、しぼりの責任者をやれるメンバーを決めていて、その人が流れを見てくれるシステムになっている。

 

醤油しぼり自体も楽しいのだが、みんなが楽しみにしているのはしぼりたての醤油で味付けをする料理。

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みんなで一品持ち寄るようになっていて、

今年は七輪を3台出して、焼き物中心で行なった。 

もちろん木炭は、釜沼木炭生産組合で焼いたもの!

思い出せるだけ列挙してみよう。

もち、焼きおにぎり(品種:プリンセスサリー)、フキ味噌おにぎり、生わかめ(岩井海岸)、しいたけ、アジの刺身、なめろう、焼き鳥、ちくわ、とうふ、厚揚げ、手作りさつまあげ、胡麻豆腐、うどん、すまし汁、いちごなどなど。

 

みんなで集めると、本能に豪華な食事になる。一品を完成させてくる人と、醤油に合わせた料理を持ってきてくれる人といろいろで、面白い。

 

一年に一度しかないイベントだ。1日ゆっくりかけて、10組くらいの一年分の醤油ができるのだ。

我が家に遊びにきてくれたらご馳走しますよ〜。

 

 

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生活は続く

民泊の余韻に浸る間も無く、今朝から炭焼き作業開始。この冬2回目だが、実は今回がこの冬最後になってしまう。残念だけど、やむを得ない。二回だけだけど、お互いに時間を都合つけて出てきたんだし、やれるところで続けて行かないと、嫌になってしまえば元も子もない。

 

昨年末に焼いた炭の窯開け!

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焼き時間は、予定通り行ったので、楽しみにしていたが、若干燃えてしまった量が多いかもしれない。

今日は新しい参加者が2人きてくれたので、作業がどんどん進んだ。

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木炭を出しているところ。

木炭を出してから、今度はこの間準備してきた炭材を入れる。

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釜沼木炭生産組合を長老方から受け継いで、丸3年が過ぎようとしている。

どんどん生産しているわけではないが、

田んぼの陰になっている木を伐ったら炭にできるので、木を無駄にしないで済むようになった。

木を見る目も、少しずつ養えたように思う。

 

農村で育ったわけではないので、知らないことばかり。でも、1つ1つ後付けで学んでいる。後付けであっても、学べることができるのはありがたい。それはいつか、繋いで行くものになるだろうから。 

 

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この種がいつか実を結ぶときがくる

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出発前に、全体写真を撮ってもらった。

 

昨日の料理で、ぐっと距離が近くなった私たち。

今日のFarewell Party(歓送会)で、パキスタンの参加者が知っていた「カントリーロード」(日本語版)を急遽歌うことになり、今まであまり話さなかった子たちとも一挙に話すようになった。

やはり、食と音楽は人を繋げるのだと思う。

リズムが、人の心をかきたてるのかもしれない。

私も、弾いたこともないこの歌を、あわててギターで練習することになってしまった。でも、歌うことも弾くことも好きだし、何より参加者の人が喜んでくれているのが一番嬉しい。

そんなわけで、昨晩ギター練習をして、何年かぶりに弦を張り替えて、今日に臨んだ。

会場は、旧大山小体育館なので、だだっ広く、あまり音が聞こえないのだが、最終的には自分たちが楽しければいいと開き直り、みんなで大きな声で歌った。

各国の参加者も、それぞれの民族衣装を身にまとって、踊りや歌を披露してくれた。全部で8カ国ほどあっただろうか。

市役所でお世話をしてくださる女性が、「海外に行かなくても向こうが来てくれていろいろ見れるのは楽しいね」と言っていて、同感した。

各国で所作に特徴があり、なかなか見れないものだ。ところで、日本人が海外で日本的なことをやれと言われたら一体どうすればいいのだろう?盆踊りか?日本舞踊はそんな簡単にはできないしな。道徳に点数をつけるより、日本人の身体所作を学ぶ方が先決な気がする。

 

それはそうとして、いよいよお別れのときがきた。もう2度と会えないかもしれないが、私が会いに行けば会えるかもしれないとう関係が始まる。

もし今まできてくれた人の元を訪ねるとすれば、えらく大変なことになる。でも、いつか叶えたいと思っている。

それには、今ここで、小さくても着実な活動を、大きな希望を持って続けていくことが大切なのだと信じている。

 

 

 

 

 

 

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