私が兵庫県出身であることから、親戚が勧めてくれ,おまけにわざわざ鴨川まで送ってくれました。
これは今年の正月のことでしたが,お盆になり親戚が来るので,返す前に再読しました。
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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阪急今津線が,この小説の舞台です。
私が大学やアルバイト,そしてデート!(たまにね)にいくときに使っていた線なのです。
内容に入る前に,既に舞台設定だけで懐かしいです。
軽く読める内容の小説ですが,おもしろいと思ったのは電車、駅という多くの見知らぬ人が通り過ぎる中での偶然に見える出会いが描かれ,それぞれの人生がそこから垣間見えるところです。
各駅ごとに人の出会いがあって,読み進めるたびにそれぞれが関連して展開していきます。
最近ある本で「視点移動することが大切だ」という言葉に出会いました。
”視点移動”とは、読んで字のごとく視点を移動させてあるものを眺めることと認識しています。
電車の中では多くの人とすれ違いますが,それはほとんど”人”の形をしているだけで,具体的な”誰それさん”という存在になりにくいものです。
登場人物たちは、普段の私たちと同じようにいろんな人とすれ違っていきますが,私たちは作品を読んでいるのでそれぞれの人物の背景を知っています。
視点が変わるだけで,登場人物たちが違った色に見えてくるのがおもしろいです。
普段の生活でも,私からの視点だけでなく,相手の視点に立ったり,また第三者の視点に立ってみたらどうだろう?と考えるのは有益な気がしました。
ふと疲れたときに読むと,ほっとしたり、和やかな気分になれる本です。
自分が電車に乗って,登場人物たちを眺めているような気になれました。
楽しく読めて,気づきもあって,おもしろい本でした。