昭和史20年の教訓

昭和史 1926-1945

昭和史 1926-1945

を読み終えて、まとめとして書いてあったところを抜粋しておきたい。
本書は、昭和元年から20年までの歴史を扱っている。
その20年の教訓として、
1 国民的熱狂を作ってはいけない。その熱狂に流されてはいけない。
2 最大の危機において日本人は抽象的な観念論を非常に好み、具体的な理性的な方法をまったく検討しようとしない。
3 日本型のタコツボ社会における小集団主義の弊害
4 国際社会の中の日本の位置づけを客観的に把握していなかった(具体的には、ポツダム宣言の受諾が遺志の表明でしかなく、終戦はきちんと降伏文書の調印をしなければ完璧なものにならないという国際常識を理解していなかった)
5 何かことが起こったときに、対症療法的なすぐに成果を求める短兵急な発想。
最後のまとめとして、政治的指導者も軍事的指導者も、日本をリードしてきた人々は、根拠なき自己過信に陥っていたとある。

本書を読んで、「昭和史の全てがわかった」とするのは不十分だろうが、ひとつの指針とはなると思う。
先に引用した5つの教訓は、もう少しまとめてみるのと、調べてみるのが必要だろう。
有能な指導者ならば上の5つくらい全部理解しておいてもいいようなものなのだろうが、そう簡単にいかないのが人間の行動なのかもしれない。

しかも、上に挙げた5つは、そのまま現代の私たちにも当てはまりそうな気がする。
ここら辺もきちんと考えていかねばならないだろう。

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