今日は、久々にしっかりとした雨の降った1日だった。朝一で少しだけ農業用ハウスの建築を行なった。
王国にとっては久しぶりのハウスだ。
3棟目のハウスになる。
これができると、農業機械など、様々なものを置けるようになる。
雨が降ってきて、屋外での作業が厳しくなったので、藤本敏夫記念館の整理を始めた。
すると、久しぶりに見た本たちに出会った。
そう、それが写真にあげた増刊現代農業(農文協刊)である。
現在は、「季刊地域」という雑誌に変わっているのだが、私にとって、この増刊現代農業には大きな刺激を受け、転換をもたらしたのであった。
今から6年ほど前まで自然王国では「里山帰農塾」という2泊3日のイベントを行なっていた。各界から講師をお招きする座学と、農業体験を行う実習が組み合わせられたイベントだ。
その帰農塾に講師としてきてくださっていたのが、当時増刊現代農業の編集長をしていらした甲斐良治さんだ。
私は、スタッフとしてこのイベントに携わりながら、甲斐さんによって蒙を啓かれたと言っても過言ではない。
自然王国に来るまで、「地域づくり」のことは考えたことがなく、社会問題はどこか自分の住んでいる地域から離れた場所で起こっているかのように考えていた。
ところが、王国で暮らし、甲斐さんの話を聞く中で、本当に考えて、行わなければならないのは、地域にないものを探すのではなく、あるものを探していくこと、村の暮らしを作っていくことではないか、と考えるようになったのだ。
増刊現代農業には、全国で地域づくりを行なっている人々の活動が記されていて、同じ思いを抱く人々がこれほどたくさんいるのだ、と覆いに勇気づけられた。背表紙のタイトルを見ただけで、あの頃あったことを鮮やかに思い出す。
あの時感じた思いは、今も静かに、確実に継続していて、それがいまの私の活動に繋がっていることを実感している。
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