この気候・・・

朝、イベント準備のために施設の清掃。
食堂をはいていると,雨が降ってきた。
あぁ、雨が降ってきたな,と思っていると,
ざざざあ!
これは,すごい雨だ。
急いではき終えて,食堂の扉を閉めた。
食堂の屋根には雨が勢いよく打ちつけている。
あっという間に山小屋前には水たまりが。

実は,王国田んぼの一部が水が抜けていたので,
これで水がたまるな,と一安心。
長く続くかと思ったが,約1時間半ほどでやんでしまった。
朝の天気予報のいう通りだった。

それにしても、雨が多いな。
石井さんが明日のイベントのメニューを考えていたので覗き込んでみると,
昨年の今頃はなすび、ピーマン,ししとうのオンパレードだった。
あやや。
今年はまだほとんどとれていない。
出荷はいつになるやら?と思わせるほどなのに。
気温か,雨の多さか。
原因はわからないけど,とにかく野菜たちには酷な状況だ。

天気予報によっては,7月上旬には梅雨明けか?という情報が流れている。
早く暑くなってほしい。

明日のイベントには,25名くらいが参加の予定です。
草取りをさっと終わらせて大豆の種まき、ジャガイモ収穫までやってしまいたいですね。
夜の食事はタマネギ,ジャガイモをふんだんに使う予定です。
お待ちかねの生○ールも発注しました!!!

以前のブログを読む

農作物という名の石油を食べている!?

7月2日の朝日新聞より。洞爺湖サミットを目前に控え,食と石油の問題が
取り上げられていました。

「世界の食料生産は石油頼み。典型の日本の農林業は06年度,55年度の15倍の312万6000klもの石油燃料を使った。
機械化やハウス栽培などが依存を高めた。」
「肉1kの生産に必要な穀物量(トウモロコシ換算)は牛が11kで,豚が7k、鶏4kだ。
化学肥料や農薬の製造、灌漑、運搬などの石油消費まで考えると,
『農水産物という名の石油を食べている』と言っていいほどだ。」

肉をつくるのに,どれだけの穀物が使われているのか。改めて数字で眺めると大変なことが実感できます。
だから肉を食べるのをやめよう,というのはちと短絡的な面もありますが,肉食を減らしていくことは課題になるでしょう。

こんなトマト農家の事例はどうでしょうか。

「栃木県栃木市のトマト農家、大山寛さん(57)も重油の値上がりに苦しむ。1haのハウス施設を家族とパートの計10人で切り回し、11〜3月は重油で暖房する。『ハウスを長期栽培仕様に立て替え、1億円も投資した以上、簡単にはやめられない』という。熱効率を高めるヒートポンプも入れ、重油節約に努める。
 トマト1個(L玉200g)に使う重油は、年平均で約80ml(約65g)。重さでトマトの3分の1ほどが油の計算になる。
 産地間競争を勝ち抜くため、大山さんは栽培期間を一般農家の1,5倍の9ヶ月に延ばすなどして,10aで24〜25tと県内平均の約2倍の収量を実現,経営を維持している。だが、一般のトマト農家では暖房が必要な月に重油代だけで売上げを上回ったところも多いと,JA全農とちぎ。JAはこうした農家に,暖房はやめ,本来の旬である6〜8月に栽培時期をずらすように勧め始めた。」

トマトを年中出荷するために,このような栽培方式になるのですね。
トマトの3分の1が油だなんて,ブラックユーモアにすらなりません。
鴨川のバラ農家さんも,ヒートポンプを入れたりして重油の値上がりへの対策をとっていました。
バラも加温しなければならないので、コスト管理が大変だそうです。
大山さんも,栃木県では優良大規模農家なのでしょうが,農業で生計を立てるということはこれほど厳しいことなのですね。
JAが旬の栽培を進めているとのことですが,旬のトマトは安いのです。
安いトマトの価格補償など,ある訳がない。
ああ農業。どうして農作物はこんなに安いのですか?そんなため息が出ます。

さらに、採卵農場ではどうでしょうか?

「長さ100m、電車の車庫と見まがう鶏舎5棟に40万羽。餌やりも空調もコンピュータ制御で、わずか二人で管理する。生みたての白い卵はベルトに乗り隣接のパック工場に整然と送られる。
 群馬県東吾妻町,榛名山近くで採卵農場を経営する雪平幸男さん(63)は『家畜の食べる分が燃料にとられるとは。ほんの2年で時代が変わったようで』という。
 一帯は10年ほど前、農業振興策で山を切り開いた畜産基地だ。酪農や養豚などとともに首都圏の食卓を支える。飼料はどこも米国産。関係者は,『うちの(エサ)畑は米国にある』と冗談をいってきた。
 畜産は,家畜の体内で植物性タンパク質を動物性タンパク質に変える営みだ。卵の場合,1個60gの卵のためには120gの配合飼料を食べる。飼料代は石油代替のバイオ燃料ブームもあり高騰。2年前,卵の生産費用の45%だったのが今は65%を占める。
 雪平さんは効率化を追求,大手スーパーなどへの安定供給に専念してきた。だが、店頭に190円前後で並ぶ10個パックでは1パックの利益が1円未満の状態になっているという。『もう効率化の余地はない。だが、生きものを抱える以上、システムを止めることもできない』」

でた!大規模採卵工場!!
40万羽を二人で管理!ちなみに、自給的農家の場合は一人で400羽が限界だとされています・・・
最後の雪平さんの『もう効率化の余地はない。だが、生きものを抱える以上、システムを止めることもできない』という言葉は行き着くところまで行ってしまったな,という感があります。

王国は小さな農場のため,農業機械に使う石油燃料は1月に20リットルくらいですが,
それでももしこの燃料が手に入らなければ・・・と思うと愕然とします。
この点からは,天ぷら油からつくるバイオディーゼルなども、実現の必要を感じます。

石油なしで王国農園を維持できるか?
後10人以上無給!スタッフがいれば,何とかなるかもしれません。
でも、その確保ができなければ,必然的に農業は家族形態に戻り,
自給自足的経営が中心になるでしょう。
大地主はいないとしても,大企業が土地を所有し,
その企業の従業員として馬や牛を使って耕作しているかも。
ああおそろしい!

なるべく石油への依存を少なくする生活がしたい。
それがほんのわずかでも。

以前のブログを読む

王国の5年後

月末までに、王国のイメージを描いてみよう!ということになりました。
例えば、5年後はどうなっているだろう?
5年後は、私は38歳になっています。

今よりスタッフは増えているかな。
今より王国会員は増えているかな。
1年通しの帰農塾コースが始まっていたり。
王国農園からの野菜宅配はもうすでにいっぱいになっていて、
王国レストラン&カフェが始まっているかな。
『鴨川を循環型社会に』という思いが実現に向けて走り出しているかも。
いろんなところとネットワーキングしているだろう。
中山間維持と、それの継続的利用についてプログラムし、
実行しているかも。
昔kaiさんから提案された、王国ファームウェディングをやっているかもしれない。
王国保育園ができていたりして。
エネルギーの自給、例えばバイオディーゼルや、太陽光発電燃料電池など。
行政とも連携しているかな。
王国ハイキングコース、星空観察会とかね。
若者が農に触れられるような体験キャンプもいい。

描くのは、思い切り描いた方がいい。
『夢だよ』と言われたって、描いたもの以上のものはできないだろう。
『お金が欲しい!』というのを前提にするのはなんだか気が引けるし、
「こんなことやったら楽しいだろう!」をスタートにして考えたい。

筋となるのは、地元学の考え、
「ないものねだりではなく、あるもの探し」(by 結城登美雄)だろう。
おっと、増刊現代農業に影響されている!
影響されることこそ、楽しいことだ。
自分の琴線に触れてくれたんだから。

今、朝の6時。
4時半から書き始めてこんな時間になり、
楽しみにしてくれている人にはこんな独り言のような
内容になってしまった。

今日は休みで、今から家の草刈りです。
なんだかこどもたちも体調が悪く、妻も疲れ気味ですが、
今日はいい天気です。
太陽の下で動いたら、気分も晴れるさ!

以前のブログを読む

草を刈る

7月5日は王国イベントで、草取りの二回目を行います。
寒い日が続いて、生育が心配ですが、それでも少しずつ大きくなっています。
イベント前なので、草刈りを始めました。
午前中は一人で作業しました。

ミツヲさんの車が小さく映っていますが、
ここは王国田んぼの中で一番広い田んぼです。
大隈塾の社会人の方が植えた田んぼです。

ここの土手は、急で広いので、正直あまりやりたくないです(笑)。
無論、やらねばなりません。
まず始めに、一番上を刈って、それから真ん中を刈って、
最後に土手際を刈ります。

角度がそれなりに急なのと、土手がやわらかいので
足がはまってしまいます。
今日はめんどくさがって田んぼ用の長い足袋をはいていないので
うまいことやらないと長靴ごと田んぼに突入です。

まぁしかし、草刈り機を使って4年目。
私もそれなりに使えるようになってきましたか?
なんとか終わったものの、この田をやるだけで1時間かかりました。
みんなでやったら早いけど、一人の作業はなかなかはかどりませんね。

イベントまで後4日。
ちょいちょいっと草刈りを終わらせてしまおう。

以前のブログを読む

梅雨の晴れ間

雨続きです。
梅雨だから当たり前ですが。
ふと思いついて、去年のこの時期のブログをみてみたら、
あまり雨が降っていなかったようで、
『慈雨』なんてタイトルのエントリーを書いていました。
とすれば、今年は『酷雨』です。
台風も多いし、気温は低いし。
稲の生育も遅いです。

夏野菜の生育も、全般に遅いように感じます。
生育が遅いだけではなく、病気も発生してきました。
ズッキーニは、去年はとれすぎて困るくらいでしたが、
今年は受粉した後、花びらがうまく落ちずに腐ってしまい、
その結果、実まで腐ってしまうことが多いです。
これは、灰色カビ病という恐ろしい名前がついている病気の
影響なのです。
しかし、この病気に関しては、受粉したらすぐ花びらをとってしまう
ことで対処可能なので、そのようにし始めています。

梅雨のメリットは、田んぼに水がよくたまることです。
ありがたいことに、今年は田に水がたっぷり入っているので
草がほとんど生えません。
今度の草刈りも比較的?楽ですよ(笑)。

あとは、雨続きだと、晴れが本当に嬉しいです。
晴れの日に空を見上げると、広い空が
真っ青で、大きな気持ちになれます。
目の高さから、一気に鳥の高さに飛べるような感じすらします。
今日は昼から、そんな晴れ間が広がりました。
野菜や、稲たちもこの光を身体一杯に受けています。

明日もいい天気になりますように。

以前のブログを読む

王国を全国に展開せよ?

土砂降りの雨の中、「園芸福祉」という活動を展開している
人々が参観に訪れました。
王国に果樹を植えにきてくれていた和歌山のS本さんの知り合いというだけあって、
和歌山、京都、滋賀、三重そして静岡県からと、遠いところからの訪問でした。

王国の現在の活動をひとしきり説明したのち、いろいろと話をしました。
これからどうしていくの?という話です。

王国は、野菜宅配、会員制度、帰農塾の活動を3本柱として運営しています。
しかし、この活動は、田畑の規模、施設の容量などを考えると、
ある程度までしかいかないと思われます。
この先、どうするべきか?
王国は、王国として充実した活動をしながらそこから飛び出して、何らかの
事業を興さねばならないのではないか?
というか、興したい。ということを最近考えています。

三重県の訪問者から、
「王国を全国に展開するべきだよ。手始めに、私の地元の名張から。」
なんてお話があったりして、冗談から出た誠になってしまうかも知れません。
静岡県の人からは、
「紫陽花ロードを造ったりして、地元の花なんか植えるといいんじゃない?」
「自分の現場を一生懸命やって、そこからできることを一つずつやっていくことね」
という示唆を受けました。

王国が農的生活空間として、レストランがあったり、コミュニティマーケットが
あったりする。
同時に、休耕田を復興し、そこからとれた作物をきちんと販売している。
そのやり方が一つのモデルケースとなり、全国の中山間地農業のヒントになる!
そんなふうになればいいな。

静岡県の方は、嫁いでから農家になったそうで、
「非農家だからできることがあるのよ。
都市の人にも説得的に農家のことを説明できるしね。
まだ4年、駆け出しじゃない。やることがいっぱいだね。」
といわれて、ますますやる気になってしまいました。

参観に来たのに、アドバイスやヒントをいっぱいもらってしまい、
ちょっと立場が逆でした(汗)。
でも、それも藤本敏夫がつくった空間の大きさだと言い訳をします。
しかも、今日来た方達はそれぞれの現場で「園芸福祉」に取り組んでいるので、
言うことにも説得力がありました。

こういう方達とも連携して何かをやっていければ幅が出るし、
自立への道も開けそうです。

わざわざ足を運んでくださってありがとうございました。
はまってしまった軽トラを出すのを手伝ってくれてありがとうございました。
4年もここに暮らしているのに、地面のぬかるみをまだ納得できていないようです。
お恥ずかしい・・・・

以前のブログを読む

タマネギを吊るす

保存のために、タマネギを吊るします。
まず、晴れた日が3日間くらい続く日を狙ってタマネギを畑から抜き、そのまま畑で干します。
その後、ハウスに入れてまた一週間くらい干します。
こうすると、葉は水分がなくなってからからになり、タマネギの皮もスーパーで売っているような色になります。
こうなって初めてタマネギを吊るして、保存する準備が整いました。

次に、麻ひもを50センチくらいの長さに切ります。
タマネギを6個つかみ、二つに折った麻ひもで一周させ、
その輪の中にひもの端をとおして、きゅっと締めます。
きゅっと締めたひもの端を、タマネギの包みのちょうど半分のところ、
3個3個の間に通します。
これと同じものをもう一組つくり、互いにかた結びでくくります。
つまり、12個一組で吊るす、という訳です。
これを、ロバ小屋と藤本家の軒下に吊るした竹に吊るします。

今回は、一部は苗を購入したものの、ほとんどは事務所前の畑で育苗したものです。
石が多く、粘土質での苗づくりは、簡単ではありませんでした。
でもそれを畑に植え、肥料をやり、収穫し、出荷しながら一部は保存する。
収穫時期も、天気をみて動かねばなりません。
その点では、今回のミツヲさんの天気見は抜群なタイミングでした。
適期作業が行えました。

これで、冬までタマネギは大丈夫です。
今はまだ、夏野菜ができていないので野菜宅配の一品としても重要な位置を占めます。
何より、どんな料理にも使える万能野菜です。

タマネギに感謝!!!

以前のブログを読む

歴史は、結びつきの中に存在している。

日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)

日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか (講談社現代新書)

を読み終えました。

『人間が太陽の光に包まれ、風に包まれて生きているように、かつての日本の人々は、 自然に包まれ、共同体に包まれて存在している自己を感じていた。だから自分を見つめようとすると、そのこと自体の中に自然や共同体が入ってくる。自然や共同体に包まれて成立した「場」のことを風土と呼ぶなら、自己とはたえず風土とコミュニケイトする中に成立するものだった。』

この考えでいけば、昨日のエントリーに書いた、「共同体自己」と「きわめてゆく自己」とのつながりは、
当然同時に存在するものであることがわかります。
昨日は便宜上二つを分けて書きましたが、これはどちらにも向かう揺らぎのあるものだと考えます。
自然というものが、人間と対立するものではなく、いつかは一体となるというような考え方だったのかもしれません。

『人々は自分たちの村の中で、様々なものを村にあったものへとつくり変えながら、自分たちの地域をつくってきた。こういう生き方をしてきた人には、知性の継続、身体性の継続、生命性の継続が必要だった。ときに人々は知性を働かせて生きなければならない。しかし、知性だけで村の暮らしはつくれない。第二に身体性の継続と継承が必要になる。それは多くの場合は『技』という言葉と同一化していて、田畑をつくる技、用水路を維持する技、道を守る技、石組みや建築の技、山からいろいろのものを採取する技、さらに様々なものを加工する技。そういったものが身体に刻み込まれたかたちで受け継がれていくことが必要だった。身体それ自身の力をとおして、村人は一面では村の歴史を作ってきたのである。(一部改変)』

この文章は私にとって非常に痛い文章でした。
というのも、私はどんくさいからです。
もちろん、どんくさいなりに一生懸命やっていますが、できる人から見ると
「畑、向いてないんじゃない?」といわれるほどです。
先日も行きつけのガソリンスタンドのおばちゃんにいわれてしまいました。
なまじプライドがあるものですから、
「何を言うとんねん。俺かってやれるわ。」
心中つぶやくも、実体が未だ伴わず。
その中で、少しまし?なのが『知的労働』の部分ですが、
これも衆に秀でるものではありません。
そういう私がこの文章を読むと、『この継承、自分にやれるのか?』と
不安になってしまうほどでした。
実際に現場にいるものですから、自分の働きを振り返って反省することしきりです。

でもこれ、発想の転換だと思っています。
確かにどんくさいけど、私にはまだ『なんとかやってみよう』という気があります。
おもしろがれる気があるのならば、それでいいのではないかと思っています。
身体性の継承、という意味でも全くできない訳ではありません。
できるところを評価したいと思うのです。

現実、事実を構造的に理解し、それを身体的に憶えてゆく。
考えを伝えるには技術がいります。
骨だけ鍛えても、筋肉を鍛えなければ動けません。
それはいわば人生の道程です。
鴨川に移住してきたことで、否応なしに古い共同体に属し、肉体的にもコツコツやっていかねばならない状態を楽しんでいます。

「歴史は、結びつきの中に存在している」

私も、その結びつきの中に存在していると感じています。自然王国の活動も、
風土とコミュニケイトするなかで継続し、生み出していければ、と考えています。
内山さんの本で、自分の働き、考えを振り返るいい機会ができました。

今回のエントリーにはかけませんでしたが、
この本の副題は「歴史哲学序説」とあります。
発展的、制度的に理解してきた歴史を、
つながりの中、民衆の中からみえてくる歴史としてつかみたいとする
内山さんの考えに深い印象を受けました。

*種まき大作戦の田んぼの畦にまいた大豆が発芽しました!

以前のブログを読む

二つの自己と同一性

先日の内山さんの勉強会で、
「日本人の自己形成としては、「共同体自己」と、「きわめてゆく自己」という
二つの自己形成の方法をとる」という話を聞きました。

具体的には、上の話を農村に当てはめた場合、村の水管理を共同作業で行うことは
「共同体自己」の発現であり、その場合の鍬の使い方なんかは「きわめてゆく自己」
の発現であるといえます。
このように、共同作業における自分と、個人としての自分との微妙な二つを
行き来しながら自己形成するそうです。

この話を聞いて、自分にも当てはまるなぁと思いました。
村の仕事は当為的なものとして存在し、そこに自分の意志を組み込むことは
できません。むしろ、当為的であるべきだと考えています。
ただし、その中での作業の仕方、もしくは自分の菜園での栽培法などは
どんどん工夫して、自分で熟練させてゆくことができます。

さらに、きわめてゆく自己としての自己形成は、
欧米人の自己形成は、徹底して他人との比較によってなされる
ようですが、日本人の場合はとことん自分の内面、内奥に入ってゆくようです。
全てに、『道』を見いだします。

このように分類するとわかったような気になります。
特に、自分の今の生活がこの話によく当てはまっているので。
現在の社会問題の多くは、『共同体自己』つまり、共同体の中での
自分を思うことができないことに起因するようです。
「きわめてゆく自己は」、自分の内奥に進む訳ですから、
きわめればきわめるほど狭くなってゆき、それは誰にも評価されるわけでも
ありません。きわめたその先のむなしさは、破綻を招くかもしれません。

昔なら、「共同体自己」と「きわめてゆく自己」は同時に存在し、
きわめてゆくものすら、『村に住んでいる』ことでほぼ自明的でした。
現在は、『何についてきわめようか?』とまで考えなければならない時代です。

私もそのような現代に生きているので、
何をきわめてゆこうか、やはり自明的ではありませんが、
今の仕事に懸命に取り組み、むらの暮らしを大切にしていくという
シンプルなところに集中しようと思うのです。

以前のブログを読む

ローカルから世界へ

 24日の夜は、4月から王国で2週間に一回開いている

T&T研究所主催http://www.k-sizenohkoku.com/tt_top/index.html

スマイル レボリューション スクールの日でした。

この勉強会は、世界で起こっていることを知り、それをどう鴨川にひきつけて

考え、どう動けるか、ということを趣旨としています。

 今回のテーマは、「食と農」。

世界で、食料の価格が上がっており、各地で食料を求める

暴動が起こっているという内容でした。

 資料映像を見た後は、意見交換に入りました。

今回の議論では、希望が見えました。

鴨川市には、たくさんの可能性があり、それをまだ活かしきれていない状況です。

 たとえば、長狭米。

長狭米を、「ながさまい」と読めない人はたくさんいる。それくらい知られていないお米だ。

今まではそれをブランディングできなかったけれど、高齢化も進む中、うまく進めていきたい。

 また、天水田。何度も書いている通り、天水でお米を育てている場所は本当に少ない。

とすれば、これをうまく活かして何かできるのではないか。

 おっと、来月私たちは「鳴子の米プロジェクト」http://narugo.gozaru.jp/naruko-kome1.html

の視察に行くではないですか。

これをきっかけに、何か動けるといいですね。

などと盛り上がりました。

自然王国の方向性も、少しずつ見えてきたような気がします。

自給的組織であることを前提に、若干の地元雇用を生み出せるような組織、

そして大規模農業ではないものの、見捨てられてゆく中山間の田畑を維持していく仕事を作り出すこと。

こんな方向も面白いかもしれません。

 まぁ、道は険しいが、取り組むに値する仕事です。

これが、今回の希望です。

以前のブログを読む