午前中、少し時間があったのでチーズを放してやった。餌をやった後だったのだが、食べる食べる。しかも面白いことに、ある種類の草を食べてしばらくすると移動して別の草を食べ、さらに別の草を食べにいっているのが見られた。当たり前だが、草にも味があるに違いない。飽きないように、いろいろ選んでいるのだろうか。「人間の関心を引くために動物は生きているわけではない」と、馬牧場を経営している人に言われたことを、ふと思い出す。私にできるのは、チーズにとってできるだけいい環境を用意してやることだと思う。
少6の娘が学校から借りてきていた「ある奴隷少女に起こった出来事」原題”incidents in the life of a slave girl”を借りて、読了した。私が読んだのは単行本だが、文庫で出ているようだ。
本書は1861年にペンネームで発行され、事実かどうかわからないままに長い間埋もれていた作品だったが、今から30年ほど前に、実際に奴隷だった女性が執筆した自伝的小説であることが判明し、アメリカで改めてベストセラーになったそうだ。
6歳になるまで自分が奴隷であることを知らずに育った少女が、”所有者”である白人から受けた数々の被害と、そこから逃亡して自由を掴み取るまでの物語だ。逃亡の際は、7年間も屋根裏部屋に隠れて、捜索を続ける”所有者”から逃げ延び、その間子供に会うことはほとんどできなかった。北部に逃げても、執拗に追っ手の手が伸びてくる。そして、恐るべきことは、立場、環境が違えば、人間は誰でも、これほどまでにおぞましく振舞うことができるということだ。
しかし、「生きる」ことに対して、これほどの障害があっても、人は生きていくことができるのだと感じた。どれほど理不尽なことがあっても、生きることを決めて、自由を切望し、壁に向かっていく姿勢、行動に大きな感銘を受けた。そして、この姿勢は今を生きる私たちにこそ必要な姿勢だと感じた。
以前のブログを読む
ヴィクター・フランクルの「夜と霧」を思い起こす一冊でした。
訳者の堀越ゆきさんがあとがきで書いていた、一昔の事ではなく、今の私達にも同じことがあるのではないか。との意見に同感です。
私も数年前までそうでしたが、日本人としてどう生きるかを考えたことが殆どありませんでした。それは、戦後の教育が大きかったと思います。でもそれに甘んじていてはいけないと背中を押してくれる一冊です。
多様性と共生することを実行していかないと美しい地球が悲鳴をあげている感じがします。
深く考えるきっかけをくれる一冊を紹介してくださりありがとうございました。
小学生でこの本を手に取ることができることがお嬢さんの感性もいいです、成長が楽しみですね✨
今を生きるうえで、あきらめてはいけないと思わされますよね。コメントありがとうございました。