里山の自然はなだらかだ。

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一昨日に、山羊のチーズは柵を乗り越えることを覚えてしまった。昨年飼っていたサツキも乗り越えていたので、サツキが乗り越えられないように色々苦労したのだが、今度のチーズはそれでも飛び越える。

 

チーズが越えられないようにバーの位置をあげてみたが、夜8時過ぎに3回目に乗り越えたときに、どうやら足を痛めたみたい。

 

びっこをひいているので、心配になってまたまた獣医に駆け込む。幸い、内出血だけで骨折はしていないようで、痛み止めの注射と新たな粉薬をもらう。フィラリアの注射もついでにやったので、これでしばらくは通院はおさらばにしたい。

大切にしたいという思いがあっても、やはりふとした不備が彼女の怪我を生んでしまい、後悔が止まない。

帰宅した彼女は、注射が効いたようでまたまた激しく動くようになってきた。

 

午後から王国出勤。

先週木曜日に続いて第2農場の草刈り。

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今日はyaeさんも参戦。

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斜面の土手に登るのは滑りやすいので危険だし、結構難しい。

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休憩時、軽トラの荷台に寝転んで腰を伸ばした際にふと撮影。カラスかトンビが写っている。

農村の空は広いな。

 

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ほぼ、9割がた草刈り完成。

草を刈ると畑の曲面が出てとてもきれい。

里山の自然はなだらかだ。

 

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“道程”

僕の前に道はない

僕の後ろに道は出来る

という高村光太郎の詩を、ふと思い出した。

 

今日は王国の日。

午前中は今季最後のさし苗。

手伝ってくれる人もきてくれたので、6人体制で補植。それでも、2.5時間まるまるかかった。

さし苗を終えると、あとは月末の1回目の田の草取りの準備を始める。

 

午後からは、第2農場の草刈りに向かった。

第2農場は、王国のある大田代集落から釜沼集落に下るメインスロード沿いあるので、目立つこともあり、できるだけ草刈りをするようにしている。

おそらく、昨年の晩秋以来の草刈りになるので、結構草が生えている。

本来道になっていたり、空き地になっていたりするところにも、50センチ以上の高さで草が生えている。そこを、草刈機で刈って行くのだ。

実は、これが面白い。一気に刈ろうとするとすると、草刈機の能力を超えてしまい、負担をかけてしまうのだけど、何度かに分けて刈って行くと難なく刈ることができるのだ。そして、それを繰り返して行くと、進むのが困難だった場所に歩けるスペースがができてきて、後ろを振り向くとまさに、道ができているのだ。

道ができる風景を見ていると、作業をしたな、という気になって来る。

詩はこの後、

ああ、自然よ

父よ

僕を一人立ちにさせた広大な父よ

と続く。

40を過ぎて、一人立ちしているか若干疑義があるが、それでも自然と関わる暮らしができていることは幸せなことだろう。

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認めてくれるのはだれなのか?

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怪我をしたヤギの“チーズ”だが、3日経っても食欲と動きが落ちないので、少しずつ安心して来ている。薬は10日分あるので、少なくともあと8日間は気を抜けない。ツノからの出血は収まったのだけど、 まだ痛々しいので、写真公開はもう少しお待ちください。

 

今日は、王国でペッパーソースづめ。塩漬けしていた唐辛子に温めたリンゴ酢を加えミキサーをかけたあと裏ごしして作る。賞味期限はないようなものなのだけど、新しい方がフレッシュで新鮮な辛さ。自然王国ウェブサイトでも販売しています。

 

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午後からは草刈り。王国でも田植えのめどがついたので、旺盛に伸び始めた草を刈る日々が始まる。

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代表と1時間強で草刈りを終えて、休憩しているときに撮影。この畑は、6月末に大豆を定植する予定。王国味噌も人気商品の1つなので、サポーターの皆さんとともにしっかりお世話をしていかなければならない。

 

日々暮らしている中で、誰かに認めてもらいたいと思っている自分の姿に気がつく時がある。

こんなことを告白するのは恥ずかしいことなのだけど、「自分はこれだけやっているのに」と思ってしまうこともある。

でも、違う側面から考えてみると、私の仕事は自然に働きかける仕事でもある。私の働きかけが、確実に自然というか、外界に影響を与えていることは事実。人間から与えられる評価というのは一定しないけれども、自然は働きかけに対してそのまま反応を返してくる。

とすれば、自分がいかに自然に働きかけるか、ということを考えることの方が存在として確実な気もするな。

自然が自分を承認してくれるわけではないのだが、自分の仕事をそのように認識することは必要だと考えた。

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田植えは楽しい!

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何をいまさら、という感があるが、今日は王国でさし苗の日。さし苗、というのは一度植えた後に、欠株しているところに補植する作業をさす。朝から田んぼに入って、作業を進める。作業していると、田植えって楽しいと思う。というのも、イベントの際は植え方を説明するくらいで自分で植えることはほとんどないし、自分の田んぼは機械で植えるので、手植えすることはほとんどないのが実情。

しかし、改めて手でやってみると、苗を植える感覚というのは独特なものだ。柔らかい土にリズムよくさしていくと、なんか気分まで高揚してくる。手で植えているから、この苗が育っていく先も描く余裕もある。

私たちが差し苗をしている間に、代表はトラクターで代かき。この作業も、本当に美しいのだ。代かきがされた後の田んぼには、静寂が訪れる。泥をかき回しているので、水は茶色く濁っているのだけれど、代かき直後にしか見られない不思議な情景になるのだ。その美しさは、田仕事に携わるものしか見ることのできないもの。

生きる感覚を感じたいために、農作業に取り組んでいるのかもしれない。

 

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“ひとの居場所をつくる”(西村佳哲著)

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朝一の、嵐がきそうな風景。

 

著者の本が好きで、よく読んでいる。各界で活動している人々にインタビューして、それをまとめた本を多数出版している。本書は、書名に惹かれて購入した。早速、引用したい箇所がある。

 

「文化」は多義的な言葉だ。

(中略)

 僕自身は、人間らしく生きてゆくための創意や工夫として、その言葉を認識している。

 誰かに言われるままに働いたり生きていたり、自分で考えることの出来ない精神状態には陥らずに、心と頭と身体をちゃんと動かしながら、日々の暮らしや仕事を少しでも良くしようとしてゆくことが、“文化的“な営みだと思っている。

 

この言葉は、まさに私が日々考えていること。農村で暮らしながら、少しでも良くしようと日々考えて、実行している。何より、この言葉にある”文化的“という言葉が、自分にとって大きな励みとなるのだ。

どんな仕事をしていても、暮らしや仕事をよくしていこうとするためには、工夫が必要だ。誰から命じられるわけでもないから、どこまでもやっていける。

もちろん、経済的な余裕はあまりないので、そこはなんとかしたいところではあるが、それはそれとして、自分の暮らしをどうデザインするかが大切になってくると思う。

まだ、誰かに見てもらえるようなデザイン的な場所になっているとはいえない。

だけど、日々の暮らしに、少し意識を加えていきながら、素敵な暮らしをつくっていきたいと思うのだ。

もともと、自然王国に来ようと思ったきっかけは「みんなが集まれる場所をつくりたい」という思いがあったからだ。思い続けていれば、行動が続くし、きっかけにも出会えるものだと思う。

 

さて、今日の王国は、嵐の前の何とやらで、午前中は雨が降っていなかった。王国田んぼのトラクター作業はすべて代表の藤本がやっているのだけど、藤本が先日腰痛になってしまい、今日は急遽私が代打で代かきをすることに。

 

結果からいうと、無事に代かきを終えることができたのだけど、自然王国にある田んぼがいかに深く、機械操作が難しいものであるかを初めて知った。我が家の田んぼもそれなりに難しいのだけど、王国の方がずっと条件が厳しい。

やはり、実際にやってみると見えてくるものがちがって面白い。

環境を帰る、というのは大切なことだな。

 

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気力全開

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今朝、自然王国では朝7時から田植え。昨日は渋滞で午後を過ぎてからの到着になってしまったため、先に着いていた学生のみ田植えしたので、社会人の皆さんは今日が初めての田植えになる。

 

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朝7時から始めるために、それよりも前にみんな起きていて、準備万端。

水は少し冷たかったけど、朝日がちょうど体にあたって気持ちよかった。

参加者の気力も充実していたので、1時間半程度で予定されていた面積を植え終わった。

田植えなどの作業を一緒にしていると、昨日初めて会った人たちでもどんどん打ち解けて行くのが、身体を使った作業のいいところだと思う。

 

稲刈りにまた来ます!と笑顔で帰っていった参加者の皆さんとまた会えるのが楽しみ。

4ヶ月後の王国は、どんな風になっているだろう?

 

夜は、里山オフィスの運営会議。4月から始まって以来、テーブルや机などを搬入し、オフィスで作業する人も何人かいたのだが、運営会議は初めて。

メンバーでシェアするオフィスなので、どんな方向性で使っていくか、これから練り上げていくところだ。何にしろ、作っていくところが一番面白いわけで。そして、メンバー同士でも、思っていることをどんどん出し合いながらよりよい方向を目指して進んでいける。共に進む、ということができるメンバーでやれるのは幸せだ。遠くに住む人もいるので、全員が一堂に会することはなかなか難しいかもしれないが、意思疎通を図っていきながら、素敵な空間が作れればと思う。

 

朝から晩まで気力全開すぎた1日。毎日全力を尽くしていくしかないだろう。

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継続するということ

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今日の自然王国でのイベントは、早稲田大学の学生と、社会人プログラムの参加者での合同田植え。毎年王国に来てくれるので、ふと何回目かを尋ねてみたら、今年で15回目とのこと。私は2回目からかかわらせてもらっているので、途中別の仕事をしている時に何回か抜けたことを計算すると10回くらいは一緒にやらせてもらっていることになる。

 

参加する人は毎回変わるのだけど、中にはプログラムを終えてからも継続的に参加してくれる人々もいる。そんな再会も楽しみの1つ。

 

初めて自然王国に来て農業体験をすると、多くの人に何らかの衝撃が訪れるようで、その感想を聞きながら、自分がなぜここにいるのかに思いをはせる。

深い考えや目的があって来たわけではなく、登紀子さんとの出会い、故藤本敏夫氏の遺稿集をたまたま読んだことがきっかけで鴨川に来てしまい、今もここにいる。

いつもイベントの時は毎回同じようなことをしているけど、やはり毎回何か違うことが起こっていて、自分の動きをふっと見つめ直すきっかけにもなる。ただ単に、お客様として受け入れているのではなく、やはり何かを一緒に生み出したい、というような思いがあるのだ。

継続しているからこそ、やればやるほど感じることがあるのだな。

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活動の中で方向を見出すということ

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田植えが終わっても、まだ差し苗やお分けする苗箱があるので、水やりをしたりハウスを整理したりする作業が残っている。40分近くかかっていた水やりも、最近では数が少なくなったので15分弱で終わるので、いろんな作業ができるようになった。

 

10時前に、自然王国へ。今日はYaeさんのファンクラブの田植えの日。今年で15回目。30人近くで賑やかに田植えを行なった。ファンクラブメンバーの他には、Yaeさんが今年から環境省関連のアンバサダーに就任した関係で、環境省関連の方も10人弱来てくれた。しかも、お昼は女将料理の木村さんの料理!

旦那さんも天ぷらを揚げてくれて、まさに絶品。これを絶品として何をいうのだろうか?参加者ともいろんな話ができて楽しかった。

 

そして、夜には里山オフィスにて、千葉大学の先生と大山廃校利用を考える有志の会とのミーティング。今年度は千葉大学の学生が年間を通して大山地区に通ってくる。これまで過去9年間、色々な関わりをして来たけれども、いよいよ腰を据えた活動が始まる。何度も書いているけど、この地で暮らす私のテーマは、「地域の自治を取り戻す」ということ。自発的に動く組織の活動性と柔軟性を体感している私としては、時間がかかっても、この地に自律的な活動を打ち立てたいと思うのだ。それを、大学生の力と、地域の力で顕現していきたいのだ。どんな形になるかはわからないけど、このおぼろげなテーマを活動を通して具体化して行くことがこれからの課題となっていくだろう。そして、これこそが私のやりたいことなのだ。

 

 

 

 

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王国、田植え始まる!

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王国田植えが始まった。

30人以上の人が集まって、一斉に田植えだ。

この日を迎えると、やはり高揚感を抑えられない。

この日のために、この間ずっと準備してきたのだから。

 

初めて田植えした方が、「気持ちいいですね。無心でやってます。」と言っていて、自分にとって新鮮な感動だった。

いつの間にか、田植えが毎年くる当たり前の仕事のような感じになっていて、田植えが気持ちいい、という感覚は少なくなっていた。

 

もちろん、仕事でやる田植えも感動はあるけれど、やっとここまできた、という感覚の方が強い。

 

田植え体験と仕事での田植えと両方やれることが、実は幸せなのかもしれない。

 

4時前には、予定された範囲を無事終了し、宴会へ。

今年の田植えには近くの平群地区から祭囃子のグループが演奏に来てくれて、大盛り上がり!

 

昔王国で研修していた熊ちゃんが久々に王国に来てくれて、いろんな話をした。彼の歩みを聞いていると、私にはできないいろいろな体験をしている彼を尊敬している。自分なりに人生を切り開いて行く姿をみていられるのが嬉しい。

 

さあ、明日からは我が家の田植えが始まる。

明日からの三日間で田植えを終える予定。

 

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風景をつくる

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朝起きてみると、半分予想していたことが起きていた。5時半すぎに田を見に行くと、水が抜けていたのだ。穴が開く場所というのはだいたい決まっているようで、そこに手当をしているのだけど、その近くに穴が開いてしまい、水が抜けることが多いのだ。幸い、水路にはまだ昨日の雨の残りが流れていたため、再び土のうをセットして水を入れることに。

今秋には、抜本的な対策をとったほうがいいかもしれない。

 

王国では、週末に行う田植えイベントの準備。今回は40人以上が参加する大きなイベントになるので、念入りに準備を行った。

 

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週末には、この田んぼにサポーターの皆さんの声が響くのだ。天気も良さそうだし、楽しみ。

里山の風景は人間が作った、と言われることがあるけれど、風景を作ろうとしたわけではなく、日々の暮らしの積み重ねが、美しいと感じる風景を生み出しているのだと思う。

 

明日は、私も自宅周りを草刈りして、景観を整えよう。

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